消費者金融過払い金、市税滞納者を芦屋市が差し押さえ

消費者金融などに支払ったグレーゾーン金利を、市税を滞納する夫婦が過払い金として取り戻し、市税滞納分に充てるため、芦屋市は十九日までに、大手消費者金融会社二社に対し、この夫婦の不当利益返還請求権を差し押さえ、計七十万円の支払いを求める通知書を送った。収税対策として自治体がこうした措置を取るのは全国でも珍しいという。

 グレーゾーン金利は、利息制限法(上限20%)と出資法(同29・2%)の間の金利。これまで罰則規定がなかったが、最高裁が昨年一月、事実上無効と認定したことを受け、過払い金として業者から取り戻す交渉や訴訟が増えている。

 市収税課によると、夫婦は約十年前から県民税や市民税、固定資産税などの納付が滞り始めたといい、現在、延滞金も含め計約百五十万円の滞納があるという。

 借金をする消費者金融二社にそれぞれ十万円、六十万円の過払い金があり、今回、同市が両社に対し、差し押さえ手続きを取った。このほか三社にも過払い金があるといい、同課は今後、同様に支払いを求める方針。滞納分に充てた残りの額は夫婦に返還するという。

 今回請求を受けた消費者金融会社は「個人の返還請求と同じで、基本的には返還に応じるが、額など具体的対応は書類を精査して検討したい」としている。

神戸新聞 - 2007年3月19日