消費者金融、利息制限法超過金の返還

 消費者金融のアイフル、アコム、プロミス、武富士の大手4社は2007年3月期連結決算で、そろって上場以来初の最終赤字に転落しました。しかも、4社合計の赤字額は1兆7000億円(前期は約2200億円の黒字)を超える巨額なものになりました。その原因は、利息制限法(20%)を超えて支払った「過払い利息」の返還請求が急増したほか、将来の返還に備えた引当金を積み増したからでした。

 これまでは、違反すると刑事罰を伴う出資法(年29%)と、罰則のない利息制限法(15~20%)の上限に挟まれたグレーゾーン(灰色)金利が存在し、複数の業者から借金を重ねる多重債務者を生み出す原因とみられて社会問題化していました。

 昨年1月には最高裁で灰色金利を事実上、無効とする判決も下され、昨年12月に貸金業規制法が改正し、09年中にも金利は利息制限法の上限に一本化されることになりました。

 消費者金融の特徴は、審査が甘く、その日のうちに借りられる“借りやすさ”にありました。審査の甘さには、貸付金が返済されずに焦げ付いても良いように、業者は最初から高金利で貸し出してリスクを回避していたことでした。

 最大手のアイフルを例にすれば、07年3月期の貸付残高のうち約9割が金利20%以上の貸し付けでした。利用する人のほとんどが灰色金利で借りていたことになります。このため、長い期間借りていた人は、過払い利息の額も大きくなり、弁護士などを通じて業者に返還を請求する人が増えています。

 消費者金融各社は、低い金利で資金を調達し、高金利で貸し付けることで高収益を上げてきました。しかし、現状は「毎月20億~40億円の過払い利息を返還している」(大手消費者金融首脳)状況で、経営にダメージを与えています。