消費者金融で福岡県糸島地区の土木業者である(株)波多江建設は2006年9月11日に破産手続開始を申し立て、9月14日に福岡地方地裁から破産手続開始の決定が降りた。負債総額は2億9,349万円とされる。
同社が今回の処置に至るまでの経緯を振り返る。
同社は1978年5月13日に波多江龍登氏によって設立された。土木事業を本業とし、株主も親族で構成される、どこでも見られる地方の同族企業であった。
最盛期には売上高は約5億円を計上し、従業員も20名を抱える規模で、官公庁・地方自治体を中心に営業基盤を確立させていた。その中で起きた事件が、98年の保証被りである。
当時の代表者である波多江龍登氏が保証人になっていたダンプ輸送会社が倒産し、5,300万円の保証債務の支払を迫られることになったのだ。保証債務の返済に充てるために、1,500万円の追加融資を銀行から受けている。
当時の有利子負債は親和銀行からの1億円と国民生活金融公庫からの1,000万円の総額1億1,000万円であった。しかし親和銀行には7~8,000万円の定期預金を担保に入れていたため、実質の負債は3~4,000万円であった。
当期利益は約500万円を計上しており、借入負担は大きいものではなかった。ところが突然の保証被りで有利子負債は倍以上に膨れ上がり、支払利息が重くのしかかってきた。これまで計上していた最終利益だけでは次第に不足する状態に陥っていった。
データ・マックス - 2007年2月20日